「ちょいサポ」とは、とても軽い語感ですが、それなりの危機感を背景にもって考えている未来像です。まいどフォーラムとして今すぐ実現することはできませんが、同じ考えを持つ人々と連携しながら、将来なんらかの形になれば良いと考えています。
ですから、ここから先は少し真面目なトーンで書きます。
日本の経済の屋台骨は、中小企業の中でも年商数億円規模の小規模事業者によって支えられているといっても過言ではありません。国や地方自治体から中小企業に対しては、様々なサポートがありますが、それでも手続きが面倒であったり、必要なときにタイムリーな支援が受けられなかったりします。
IT活用の分野では、インターネットの普及などで様々なサービスが無料で活用できるようになってきています。ところが、そうしたサービスを知らない人にはまったく行きわたっていないのが現状です。
たとえば今なら数千円で運営できる規模のホームページのホスト代金として、今だに年間十数万円を支払っている会社がたくさんあります。ちょっとした知識を得るだけで小規模事業者のIT活用は大きく変わります。
しかし小規模事業者というのは、大手システムベンダーが着手しにくい分野であり、もとより「儲からない」「切り捨てられた」分野なのです。ひとりのシステムエンジニアが1か月働けば、百万円を超えるお金がかかります。自然と、与信が通らない、年間取引額1000万円以下の開発は、請け負わない等、小規模事業者がITを相談できる先は限られてきています。
一方、ITコーディネータの受験者動向を見ていると、益々ソフトベンダー系のITコーディネータが大量に増えてきており、既に半数を超えています。ソフトベンダー系に限らず、サラリーマンITコーディネータの場合は、会社で得た知識を他で使ってはいけないという企業倫理規定や副業禁止規定といった枠組みの中で活動する場合もあり、せっかくITコーディネータとして高度な知識や経験を持ちながら、それが小規模事業者の為に活かすことが出来ないサラリーマンITコーディネータが増大することも予想されます。
小規模事業者をうまく支援するには、高度な知識や技能を持っている人々が1~2時間程度、ちょいちょいとアドバイスするだけで済む様な問題も多いのが現実です。
そのようなちょいちょいとサポートする環境、すなわち『ちょいサポ』の環境を用意することはできないのでしょうか?これが、まいどフォーラムの問題意識です。
同様に、サラリーマンITコーディネータやITに詳しい人の中にも、「平日に会社を1日休んでちょっと打合せに参加し、アドバイスしてあげたい」程度の要求はあると思われます。完全な無償ボランティアでも良いでしょうし、小額の現金やなんらかの地域通貨などで解決できる話であればなお良いでしょう。
まだまだ解決しなけれはいけない問題は沢山あるし、どのようにすすめればよいのか見えていない状況であるが、まいどフォーラムとしてこの問題に取り組んでゆきたいと考えています。
定年退職して地域貢献を考えているシステムエンジニアの方や、今の職場ではやりがいがあまり見いだせないIT技術者の人、イラストを描くのが得意だけど腕を発揮する場所もないし、本格的に自立するほどでもない、そういった人を待ち望んでいる経営者がきっと近所にいるはずです。こういった人たちを結びつける場として機能すればどんなに素晴らしいでしょう。
とても硬い文章になってしまいましたが、「あ、それはこうしたらいいんですよ~」とサラリーマンITコーディネータが、地元の商店街や工場のおやじさんに気軽にアドバイスするような関係ができればいいと思っています