まいどフォーラムでは、小規模事業者のIT導入支援方法の事例研究を行っています。その中の一つとして、富山市の創業100年を超える鞄の老舗黒川鞄店のIT導入支援活動を行っています。
黒川鞄店の社長が鞄や素材の仕入れ業務等で頻繁に上京することから、まいどフォーラムの豊富なITコーディネータ人脈から、東京に拠点を持つITコーディネータの事例研究メンバーを紹介し、現在に至るまでベンダー選定やサイト構築のフォローアップ等を続けています。
そして、本日8月23日に黒川鞄工房のランドセル販売サイトがオープンしました。ランドセルという商材は、夏までに素材や職人を確保し、秋から冬にかけて予約販売をし、春にかけて在庫が残らないようにきれいに売り切るという綿密なプランニングが必要な季節商品です。
首都圏と地方との格差が広がりつつある中、地方から積極的に攻めようとする姿勢や、富山で100年間地道に養ったこうしたノウハウをベースに関東圏に販路を広げようという試みや情熱には、単なるコーディネートを超えて思わず応援したくなる何かがあります。
コーディネートしている中で面白かったのは、誰がお金を払っているのかという”セブンポケッツ”の実態や、児童をとりまく犯罪に対する防犯ブザーやGPS装着機能などの工夫、ランドセル選びが一つのイベントとなって家族でいろんな所を見て回るという現象など、ランドセルという商品を通じて社会のありようが透けて見えてくるということです。
もちろん、原油高や燃料サーチャージ、サブプライム問題も間接的に関係してきます。人工皮革の原料は石油ですし、天然皮革も製造過程や空輸の過程で様々な影響を受けるわけです。そういった目でランドセル通販サイトを見てみると、また面白いかもしれません。
黒川鞄店のランドセル販売サイトをぜひご覧になってください。