1.はじめに
ここ数年、ホームページに変わりSNSでのマーケティングが話題になってきています。
特に、FACEBOOKに企業のページを作るという事は、中小企業だけではなく大企業で
も当たり前になってきています。零細企業や個人事業でもFACEBOOKを使ってビジネ
スチャンスを広げることが出来るかどうかで、今後の事業展開に大きな差が現れる可能性が
出てきました。
2.序論
小さな加工食品業を個人で営んでいるAさんは、FACEBOOKを使って新規顧客を獲
得しようとしていましたがうまくいきませんでした。現在はFACEBOOKによる新規顧
客の獲得は諦めて、ホームページの更新とSEOを行う事で新規顧客を獲得できるようにな
りました。
しかし、FACEBOOKの運用で長い時間を費やした事を無駄にしたくないと考え、そ
の思いにこたえるために、友人であるAさんに今回も無償で支援させていただくことになり
ました。
3.本論
【相談内容】
相談を受けた内容は、現在のところ新規顧客の開拓はホームページで順調に獲得できてい
るが、せっかく長い時間をかけてFACEBOOKを勉強し運用してきたのでビジネスに活
かしたいというものでした。しかしどうやればビジネスに活かす事ができるか分からないの
で、ここ数か月はログインもせずにほったらかしになっているとのことでした。
【FACEBOOK利用の目的の明確化】
FACEBOOKを使ってどんな事がしたいかを明確にする必要があるため考えてもらい
ました。Aさんの考えでは、新規のFACEBOOKで獲得したい。しかし、いま軌道に乗
り始めたホームページの更新とブログの更新があるため、出来るだけFACEBOOKに時
間を割きたくないとの事でした。
【現在のインターネットマーケティングに関する作業の確認】
現在、Aさんが行っているインターネットマーケティングの作業について確認しました。
①ホームページの更新
新商品を開発した時、顧客、見込み客に何かを連絡したい時に更新する。更新頻度は月に
1~2回くらい。
②ブログの更新
趣味とSEOを兼ねているため、数個のブログの内、どれか1~2個のブログを毎日更新
している。所要時間は30分くらい。
【FACEBOOK文化と機能の確認】
①FACEBOOK文化
FACEBOOKには独自の文化があります。それは友人との関わりを大切にするという
事で、宣伝を頻繁に行うと嫌がられ、最悪の場合「友達」を解除されてしまいます。この様
な事もあり宣伝を行う事は非常に困難であるとAさんと結論付けました。その反面、「友達
」にとって有益な情報を与えてくれる人はとても歓迎されます。幸いAさんは非常に多趣味
でいろんなことに精通しています。その様な趣味の分野で「友達」を増やし、信頼を得る事
を目指そうという事になりました。
②FACEBOOKの機能
FACEBOOKの機能でAさんが宣伝に使えそうな機能を洗い出しました。多くの機能
の中で、「タイムライン」「投稿時にWEBサイトをリンクする機能」がAさんにとって最
初に必要な機能と位置づけました。
「タイムライン」とは、時系列にAさんのことを説明できるページです。こちらでAさんの仕事とその取り組み方、人柄をアピールする事にしました。
「投稿時にWEBサイトをリンクする機能」は投稿にWEBページの内容を紹介する機能です。この機能を使って、商売用のホームページや、趣味のブログに誘導する作戦を練りました。
【FACEBOOKを使って集客する】
FACEBOOKで商品の宣伝をすることは非常に難しいため、まず「友達」を(ペナルティを受けないように)500人まで増やすことを目標に、普段から書いているブログの内容や、本業、趣味について「友達」が喜ぶ情報を発信し、信頼を得ていく事にしました。
その後、「友達」が500人になったところで、時々商売用ホームページに誘導する様に記事を投稿して集客を行うという方法を考えました。
【本件の結果】
この件に関して結果を申し上げると、思いのほか早く結果が出ました。最初の宣伝投稿で
、2件の小売り注文があり、その後も宣伝投稿をするごとにアクションがあるとの事でした
。今のところ大きな取引はありませんが、小売りとしては顧客が増えてきつつあります。
4.結論
FACEBOOKの様な個人のつながりを大切にするSNSでは、小規模事業ならではの
使い方が出来るという事を改めて実感しました。
AさんがFACEBOOKに投稿する記事は、多趣味なAさんならではの楽しい記事にな
っており、自分を売り込むことに成功し、FACEBOOKの友達も順調に増えている様です。
小さな企業や個人事業のオーナーには、趣味でブログやホームページを作っている人も多
いと思います。FACEBOOKはAさんの様に楽しみながらビジネスチャンスを広げてい
く事ができるツールなので、講習などの場をもっと作ってITビジネスのすそ野を広げる事
が大切ではないかと考えます。
ITC 中谷正明